こんにちは。新潟県よろず支援拠点コーディネーターの永田功二です。
6月は63件、7月は431件、8月は493件、9月は86件…
皆さんこれ何の数字かわかりますか?
これは厚生労働省が発表した2023年の熱中症による死傷者の月別発生状況です。
7月、8月の件数が多いことはご想像のとおりだと思いますが、6月や9月においても一定の発生件数があることに驚かれる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
また、熱中症による死傷者の業種別発生割合(2019年~2023年計)については建設業(21%)、製造業(20%)、運送業(14%)の順になっています。
野外作業のみならず、屋内作業でも熱中症が発生していることが伺われます。
厚生労働省による熱中症死亡災害の分析結果(2020年~2023年)によれば、多くの場合で初期症状の放置や対応の遅れがあったとされています。
このことから熱中症の重篤化防止のためには早期発見と初動対応が重要であることが推測できます。
以上の状況の中、令和7年6月1日に改正労働安全衛生規則が施行され職場における熱中症対策が強化されました。
改正内容は、現場での対応として熱中症のおそれがある労働者を早期に見つけ、その状況に応じ、迅速かつ適切に対処することにより、熱中症の重篤化を防止するため、「体制整備」、「手順作成」、「関係者への周知」を事業者に義務付けるものとなっています。(※1)
なお、対象となるのはWBGT28度以上(※2:熱中症を予防することを目的とした指標)または気温31度以上の環境下で連続1時間以上又は1日4時間を超えて実施が見込まれる作業です。
今回の法改正は、社内の環境点検の良い機会だと言えます。
これを機会に自社の業務環境の調査・改善に取り組んでみてください。
今年は私も適切に冷房を使い、水分と塩分の補給に気を配り、通気性のよい服を着て、しっかり予防対策に取り組みたいと思います。
この夏、どこかで砕けた私の姿を見つけても熱中症予防のためとご理解いただき、大目に見ていただくようお願いいたします。
【参照資料等】
※1「職場における熱中症対策の強化について」
https://www.mhlw.go.jp/content/001476821.pdf
※2WBGTについてはこちらをご確認下さい
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/yougo/yougo89_1.html
※「令和6年 職場における熱中症による死傷災害の発生状況」
令和6年 職場における熱中症による死傷災害の発生状況
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