厚生労働省「労働経済の分析」より

よろず支援拠点コーディネーターの永田です。

 

厚生労働省では一般経済や雇用、労働時間などの現状や課題について統計データを活用して分析した「労働経済の分析」を定期的に公表しています。直近の公表は新型コロナウイルス感染症が雇用・労働に及ぼした影響について分析が行われている令和3年版(令和2年度は作成を見送られ、令和3年版は、2年間を対象)です。

 

今回はその一つ前の『令和元年版労働経済の分析』について少しご紹介します。元年度版の分析テーマは「人手不足の下での『働き方』をめぐる課題について」です。

 

厚生労働省のホームページによればポイントは次のとおりです。

 

  • 多くの企業が人手不足を緩和するために、求人条件の改善や採用活動の強化などの取り組みを強化している一方で、「働きやすさ」や「働きがい」を高めるような雇用管理の改善などについては、さらに取り組んでいく必要がある。
  • 「働きやすさ」の向上が定着率などを改善し、「働きがい」の向上が定着率に加え、労働生産性、仕事に対する自発性、顧客満足度などさまざまなアウトカムの向上につながる可能性がある。
  • 「働きがい」を高める取り組みとしては、職場の人間関係の円滑化や労働時間の短縮などに加えて、上司からの適切なフィードバックやロールモデルとなる先輩社員の存在を通じて、将来のキャリア展望を明確化することが重要である。
  • 質の高い「休み方」(リカバリー経験)が疲労やストレスからの回復を促進し、「働きがい」を高める可能性があり、仕事と余暇時間の境目をマネジメントする能力(バウンダリー・マネジメント)を高めていくことが重要である。

 

私が受ける企業側の相談でも人手不足を嘆くことは多くても「働きやすさ」や「働きがい」についての相談をされるケースはごく稀です。

 

そもそも「働きやすさ」や「働きがい」が人手不足、生産性の向上につながるという認識がないからかもしれませんが、これはすごくもったいないことだと思います。見方を変えれば他社も取り組みが遅れているということですから、今から手を付ければ他社に一歩先んじる事が出来るかもしれません。但し、職場の人間関係の円滑化、キャリア展望の明確化等については具体的に何をどうすれば良いのか分かりづらいかもしれません。

 

私のお勧めはコミュニケーションの向上策として「相手を理解すること」、「よい関係を築くこと」の基礎となる傾聴訓練、職場内における新たな人間関係の構築とキャリア開発を促進する取り組みのためのメンター制度等です。この問題を相談できる人材はキャリアコンサルタントが考えられます。機会がありましたら一度ご相談されることをお勧めします。

 

※新潟県よろず支援拠点では、労務管理に関する個別相談会を開催しています。

令和4年度 労務管理に関する個別相談会開催のお知らせ

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