「1対5の法則」「5対25の法則」とは?

新潟県よろず支援拠点コーディネーターの上村です。

「1対5の法則」とは、アメリカのコンサルティング会社のディレクターが提唱した会社経営における法則です。新規顧客に商品やサービスを販売するためには、既存顧客に対し販売する場合にかかるコストの5倍のコストがかかるという法則です。
全く同じ商品やサービスを買ってもらうにしても、既存顧客には1万円のコストで済むところ、新規顧客を獲得するには5万円のコストがかかると言われています。

 

 

新規顧客(ターゲット顧客)に当社の商品やサービスを買ってもらうには、まずは知ってもらわなければいけません。そのためには、大々的に広告を出したり、「新規割引」など割引率を大きくしたり、無料サンプルを配布したり、無料体験サービスなどを実施する必要があるからです。
それに対して、既存顧客であれば、割引利率も少なくリピート購入をしていただけるケースが多いですし、「これまでの付き合いもあるのでなんとなく」当社の商品・サービスを選択してもらいやすいといえます。このようなシチュエーションは皆様も心当たりがあると思います。

消費者は、現在使っている商品やサービスから、他社の商品やサービスに乗り換えることは、心理的に大きな負担を感じると言われています。これは「スイッチングコスト」と呼ばれるものです。
新規顧客を獲得するには、対象となる新規顧客見込み先の「スイッチングコスト」のハードルを下げることも必要なために、多大な労力や投資が必要になってくるものです。

 

コロナ禍の長期化や物価高で収益が低迷しているため、新規顧客を獲得しようと四苦八苦されている事業者の方も多いと思います。
しかしながら、冷静に考えてみると「既存顧客を維持するためには、新規顧客の5分の1のコストで済む」わけですので、既存顧客のリピート率アップは、収益改善のための非常に効果的な取組みといえます。

このような話をすると「既存顧客の数が減っており、購入金額も減っており、これ以上取引の維持や深耕は難しい」と考えて既存顧客向けの販促を疎かにする方もいます。そのような方には、次の法則をご紹介します。

 

「5対25の法則」…「5%の顧客離れを改善すれば、25%の利益がアップする」というマーケティングの経験則。

 

これは、「1対5の法則」と表裏一体の考え方ですが、既存顧客の維持が利益にもたらすインパクトをよりリアルに感じて頂けると思います。
既存顧客から満足を得る商品・サービスを提供する努力を続けていけば、既存顧客から新規顧客を紹介してもらうこともできます。まさに「一石二鳥」ですね。

 

本コラムをお読みいただいた皆様も、まずは足元を見つめ直して、既存顧客のつなぎ止めやリピート率アップに取り組んでみませんか。

 

 

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