副業・兼業について【前編】

新潟県よろず支援拠点コーディネーターの永田です。

 

最近目にしたとある調査によれば、兼業・副業実施中の人と、今後実施の意向がある人の合計は調査対象の過半数を超えていました。

色々な理由があるのでしょうが、副業・兼業をしたいと思っていらっしゃる方は意外と多いのだというのが調査の資料を見た私の感想です。

 

厚生労働省の「副業・兼業の促進に関するガイドライン」によれば「副業・兼業に関する裁判例では、労働者が労働時間以外の時間をどのように利用するかは、基本的には労働者の自由であり、各企業においてそれを制限することが許されるのは、

例えば、①労務提供上の支障がある場合②業務上の秘密が漏洩する場合③競業により自社の利益が害される場合④自社の名誉や信用を損なう行為や信頼関係を破壊する行為がある場合に該当する場合と解されている。」とあり、さらに「裁判例を踏まえれば、原則、副業・兼業を認める方向とすることが適当である。」としています。

また、厚生労働省が作成しているモデル就業規則においても平成30年1月に改定されたモデル以降は次のような条文が記載されています。

「(副業・兼業)

第70条 労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる。

第2項省略」

一方、企業としては従業員の長時間労働・過重労働の問題、労働時間の管理・把握が困難であるという問題、情報漏えいのリスク、従業員には本業に集中してもらいたいとの思い等から、兼業・副業を禁止としている企業はまだまだ多いようです。

企業が兼業・副業を禁止したい理由はもっともだと考えられますが、一方で副業・兼業を認めることは「①労働者が社内では得られない知識・スキルを獲得することができる。②労働者の自律性・自主性を促すことができる。③優秀な人材の獲得・流出の防止ができ、競争力が向上する。④労働者が社外から新たな知識・情報や人脈を入れることで、事業機会の拡大につながる。」等のメリットがあることを前述のガイドラインでは指摘しています。

以上の事柄を総合的に考えれば、企業としては今後、副業・兼業の取り扱いについて副業・兼業のリスクを極力抑えつつ、企業にとってもメリットがあるような制度を導入する ことが望ましいのではないかと考えます。

 

【参考資料】

●副業・兼業の促進に関するガイドライン

厚生労働省

https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/000962665.pdf

●モデル就業規則

厚生労働省労働基準局監督課

https://www.mhlw.go.jp/content/001018385.pdf

 

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