その言葉は目的にあっていますか? その2

【付加価値の高い商品?】

 

新潟県よろず支援拠点コーディネーターの山崎です。

 

以前にも、同じタイトルでコラムを書かせていただきましたが、コンサルティングをしているときにすごく気になる言葉が相変わらず出てきます。

前回とはまた違った視点で紹介してみようと思います。

【付加価値の高い商品を売ろう】

「付加価値の高い商品を売る」 これはお客様からも支援機関からも叫ばれるキーワードな気がします。

では、付加価値が高い商品を販売すると、利益は出やすくなるのでしょうか? 実は必ずしもそうではありません

 

架空の居酒屋さんを例にしてみましょう。

刺し身を販売していて、安いメニューをやめて、付加価値の高いもの売ろうしたとしましょう。その結果を以下に示します。

一個当たりの商品価格は、安価版の倍ですよね。しかしながら、お刺し身は材料により価値が上下しますので、高価格にすると材料費が増加します。

一方、一般に、高価格の商品ほど販売個数は減少する傾向があります。(価格弾力性と言います)

この例題のように販売数が減少すると、売上高は高いのに、利益が減少するという結果にもなり得ます。

少し解説すると、「付加価値」という言葉には2つの側面があるということです。

 

  • 第一の側面

顧客が認知する価値のことです。これは、企業から見ると売価と提供している利便性ということになります。

  • 第二の側面

企業が稼ぎ出す付加価値額であり、これは企業から見ると利益貢献度合いとなります。

 

別な言葉でいうなら、顧客に提供している利便性や価値を、どれだけ社内で生み出しているかということになります。

お客様が価値を認めてくださっても、認めてくださるお客様の数がそれほど多くなければ、自社の利益には貢献しにくくなります。

また、同じ価値を自社で生み出さずに外部から購入したもの(この例では材料ですが、外注してもらうという行為も同じ外部購入と言えます)で作り出している時は、自ら生み出した付加価値が小さいので儲かりにくいということになります。

この例は、居酒屋をモデルに説明いたしましたが、製造業を含めてすべての業種に該当します

付加価値の二面性を考慮しながら、製品や市場戦略を見直してみてはいかがでしょうか?

 

新潟県よろず支援拠点では、製品開発や市場戦略に関するご相談に対応しています。

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